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暮らしのカタチ、共生のカタチ

 

コロナ禍を経て、価値観や生活スタイルにも変化がある中で、新しい生き方や住まい方を模索する人も増えているはず。そんな中で、「シェアハウスって今どうなっているのだろう。ブームは終わったのだろうか。どんな位置づけなんだろう?」と、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

というのも、先日、シェアハウスの運営者が集う「シェアハウス合同サミット2024 // シェア活」というイベントを開催しました。業界関係者が集い、シェアハウス運営にあたっての現状や課題、今後の展望など、活発な意見交換を行おうという趣旨のイベントですが、そんな中、「ポータルサイト運営の視点から見える展望を教えてほしい」という声を頂き、私も「シェアハウス業界の今とこれから」をテーマにプレゼンさせて頂きました。

同時に「これはシェアハウスに入居する皆さんも気になるポイントかも」と思い、今回は、我々が運営する東京シェアハウス全国版(sharehouse.in)のサイトデータを基に、僕たちが分かる範囲での「シェアハウスの今」をお伝えしたいと思います。

シェアハウスの検索サイトは他にもありますし、業界の全てを正しく数値化できている訳ではないという前提ですが、シェアハウスへの入居や運営に興味がある方にとっては、参考になるコトも多いはず。

という事で、今回は、問合数の推移やユーザーの年齢層、国籍や性別のデータを主体に、どのような人たちがシェアハウスを選び、どんなライフスタイルを求めているのか、考えてみたいと思います。それでは、一緒に見ていきましょう。

 お問合せ数の推移、シェアへのニーズ

まず、シェアハウスのお問合せ数の推移について見ていきましょう。(今回のプレゼンでは年度比較の要望に応じて、毎年1月から8月までの反響数を基に、東京版と全国版を合算していますので、ご了承ください。)

実は、2024年のシェアハウスへのお問合数は過去最高水準。東京オリンピックで盛り上がった2019年と比較すると僅かに下回ったものの、今年(1月から8月までの間で)既に、33,369件の反響があり、年間にすると5万件ペース。

コロナが与えた影響の大きさを実感しつつ、無事回復基調。サイト開設時からの14年間を通しても、過去最高水準を再び達成しました。(話は逸れますが、こうして振り返ると、創業した2010年と2011年と2012年、よく生きてたな、自分。。)

この数年の成長は、シェアハウスの人気が高まっているだけでなく、社会全体で節約志向が強まっていることや、共生の重要性を感じる人々が増えていることも背景にあるのではないでしょうか。

コロナ禍を経て、多くの人々が一人でいることの不安や孤独感を感じ、コミュニティに属することで安心感を得ることが求められているのかもしれません。誰かと「つながり」を感じられることで不安が軽減されますし、シェアのスタイルを活用する方が、人生はずっと楽で楽しいですよね。 

シェアは若い人向け? 共生とつながりの理由

 次に、ユーザー属性に関するデータを見ていきます。

サイト利用者の平均年齢は28.2歳。10年前にデータ分析した時は27.3歳だったので、10数年という月日が経過しても、年齢層には大きな変更はなく、同水準のまま、と言えそうです。幅広い年齢層から支持を得つつも、学生の利用者が増加したことが要因かもしれません。

背景には、大学生や社会人など、若い人達を中心に、コロナ禍の影響で、つながりの希薄さに嫌気を感じた方々が、シェアハウスを選択肢として考えていることも大きな要因ではないかと感じてます。

私自身、シェアハウスでの生活が長かったのですが、シェアハウスは人生の「交差点」にいるような時期に住む方が多いのかもしれません。人生2回目の部活動のようだと感じる方も多いようですし、20代から30代前半の方々が中心となって、和気あいあいと過ごすライフスタイルが都内ではよく見られるように思います。

「年齢に関わらず、幅広い年齢層が一緒に楽しそうに住まわれていますよ」と、お話される運営者さんも多いので、自分らしく過ごせるリラックスできる空間や、プライバシーがしっかり確保されたシェアハウスなど、是非、見つけて頂きたい所です。

 

国境を超えて普及するライフスタイルとその課題

 

続いて、サイト利用者の国籍と性別についても見ていきましょう。

サイト利用者の変化を考えると、特に顕著なのは、外国人ユーザーの増加。

東京の街を歩くと、もはや当たり前のように海外の方が景色に溶け込んでいるように、英語版サイトの反響が全体の50%を占めるようになりました。訪日外国人の増加だけでなく、中長期滞在を希望する外国籍の方が増えていそうです。日本語や日本文化を学び、習得したスキルを仕事に活かしたいというニーズも大きいのかもしれません。

海外を旅すると、ゲストハウスでの出会いで得られたローカルな情報に助けられた経験がある方も多いのではないでしょうか。日本のシェアする暮らしの価値が広がって、新たなニーズが生まれる、なんてこともありそうです。願わくは、表面的なコンテンツだけでなく、日本の神話や伝統、歴史や文化、習慣にも触れ、和の精神を感じながら帰国してもらえたら嬉しいですね。

また、興味深いのは男女比の変化。

10年前は、シェアハウス利用者の大半(約8割)が女性という市場でしたが、現在では男女比や国籍比がより均等に近づいており、個人的にも非常に興味深く感じています。小規模な女性専用シェアハウスは依然として人気がありますので、女性の利用者が多い傾向は続いていくと思いますが、シェアハウスのカタチが多様化し、裾野が広がっていることを実感します。

懸念すべき点としては、「外国人対応の負担が大きい」「文化や言語の違いが難しい」といった運営者からの声もイベントでは多くありました。せっかく社会的意義の高い活動をしていても、入居後にトラブルが多発したり、行動する人が疲弊してしまう状況が続くと、文化として広がることはないでしょうし、運営する方々の負担が軽減されるシステムや仕組み・サポートの必要性も感じました。

留学経験者や国際的な事業を手掛けてみたい、という人達には、チャンスが大きい時代なのかもしれません。 

 

 

如何だったでしょうか。こうしてデータとして見てみると「なんとなく感じていたこと、思っていたこと」とのすり合わせや答え合わせができるようで、面白いですね。

こうした新しい市場の創出と成長の背後には、シェアハウス運営者さんを含め、業界関係者の絶え間ない努力があることは、出来れば、皆さんにもご留意頂きたいところ。

設計士さんの空間へのこだわりや、予算管理、住人同士の交流を深める企画や、異文化理解を促進する工夫など、見えないところでの地道な取り組みがこの業界の成長を支えてきたんだと、過去を振り返ると、とても感慨深いものでもありました。

僕らも、多くの方々の努力がより広がり、実を結ぶように、活動を続けていきたいと考えています。

次回のコラムでは、サイト利用者の属性を更に違う側面から眺めながら、シェアハウスの今とこれからの可能性をさらに掘り下げていきたいと思います。ぜひお楽しみに!

 

/Author: Moriyama

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