2013年10月19日(土) に、日本シェアハウス協会主催(協賛:住宅新報社)にて、「シェアハウスの未来~空き家活用緊急提言~」と題した緊急フォーラムが開催されました。

今回のイベントは、2013年9月6日に国土交通省が特定行政庁に対して出された「基準」を踏まえ、協会並びに業界の進むべき方向性に関し、全国のシェアハウス運営に携わる事業者、建設・不動産業界の関係者を含め、多くの方々が会場まで足を運ばれました。 

私たちもこれだけ多くの関係者が一堂に会するイベントに出席させて頂くのは初めてだったため、シェアハウスの未来について業界関係者の方々と共に考え、議論を交わした時間というのは、とても貴重な体験でもありました。

イベント当日は、特別講演に、社会構造や若者の生活実態などにも詳しい三浦展氏(著書に「下流社会」、「これからの日本のために”シェア”の話をしよう」など)をゲストに迎え、多角的に社会的意義が増大しているシェアハウスについて業界関係者によるパネルディスカッションなどが行われました。また、”シェアハウス市場の現状と将来性”と題して、当社代表の森山もお話する場を設けて頂いたり、協会、事業者、メディアと異なる立ち場の有識者の方々が意見を重ねるパネルディスカッションも行われました。

今回はそのイベントの様子についてレポートしていきたいと思っております。それでは、早速イベントの様子をご覧ください。

こちらが今回のイベントが行われた会場の様子。場所は、東京・新宿のベルサール西新宿というイベント会場。写真を見ただけでも、会場の規模と大きさをわかって頂けるかと思います。 

イベント直前の様子。協会関係者の方々が協力しながら準備を進められていきます。本会場の外では、「仲間と暮らす新しい家族の形」と題して、優良シェアハウスの展示も同時に行われました。

イベント開始の時間になると本当に多くの方に参加頂きました。 150席の会場には席数を上回る170名の方々が参加されたとのこと。業界や社会からの注目度を思わず感じてしまいました。オープニングは日本シェアハウス協会代表理事を務める山本久雄氏によるご挨拶とともに始まりました。

山本氏は、話しの中で、国土交通省が建築基準法上の「寄宿舎」の基準に当てはめるといった内容の通達を自治体に出した日付けを取って、「9.6ショック」と表現しながら、行政に対し、シェアハウスという文化の魅力、社会貢献性、必要性などを業界関係者が一丸となって訴えていくことが必要とお話されます。

規制強化の現状を踏まえ、シェアハウス事業者がこれからどのような取り組みが必要になってくるのか、また、協会としてどのような方向性で動いていくのかなどを提言。

将来、不幸にも火災等で死傷者が出る事態が起きれば、きちんと取り組んでいる企業も低所得者をターゲットとした悪質企業も同様に行政指導やコストアップになる設備を不必要に業務化される可能性があり、そうしたコスト増加は家賃の上昇という形で入居者の方々にも影響が及びます。その為にも、法令順守で健全な賃貸事業としてシェアハウスを発展させるため組織作り、行政に任せるのではなく、協会関係者主導で動ける体制の必要性をお話されます。

山本氏の挨拶に続き、来賓のご挨拶。自民党の空き家対策推進議員連盟会長の宮路和明衆院議員秘書の方より「地域の活性化にも役立つ空き家活用への貢献を期待する」というシェアハウスという業界を後押し頂ける前向きなメッセージを頂戴しました。

続いて、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会 内山博文会長よりお言葉を頂きます。元々ある建物を多人数で暮らしやすい住環境へと機能性を高めるにはリノベーションの活用が必須であり、実はシェアハウスとリノベーションは密接な関係性にあるとご意見を頂きます。安全で快適、かつ多様化するニーズに対応するという理念のもとに、活動されている点では、当日本シェアハウス協会との進むべく方向性が重なるところも多いのかもしれません。

来賓ご挨拶の後は、 「下流社会」、「これからの日本のために”シェア”の話をしよう」など数々の著書を執筆され、シェアハウス業界、ならびにシェア社会化という動きに注目をされているとお話される三浦展氏による特別講演が行われました。

三浦氏は日本社会は今後「超高齢化」「おひとりさま社会化」「雇用の流動化」「制約社員化(子育て、介護しながら働く)」という社会を迎えること、そのためにも、今後はシェアハウスのような暮らしを軸に繋がるコミュニティが重要になってくるとし、若い層の居住形態としてだけではなく、高齢者を含めた多世代が共生し合う新しい時代の居住形態として発展していくことが好ましいのではないかとの見解を述べられます。

先生のお話の中でとても驚いたのは、2055年には、日本で一番人口が多いのは「81歳」になるとのこと。40年以上先のこととはいえ、日本社会が今後直面するであろう課題を考えると既存の枠組みに固執するのではなく、社会全体が共生できるような仕組みの必要性を感じます。また、住まいの場を活かすことで、シェアハウスというライフスタイルがコミュニティ構築の場として、日本社会の将来を支えるような非常に重量な役割を担える可能性があるのに、不必要な規制をかけシェアハウスの成長を阻害してしまうのでは非常に勿体ないのではないかと思わず感じてしまいました。

三浦氏による特別講演の後は、 当社森山が「シェアハウス市場の現状と将来性」と題し、東京シェアハウスの掲載状況や反響などをふまえた上で、シェアハウスの今後の展望や将来性についてお話しさせて頂きました。

シェアハウスを運営されている方の中には、本当に入居者のことを考え、安心、安全で快適な暮らしを提供しようと取り組む事業者の方が多いことや、当社はサイト展開時から掲載するシェアハウスは実際に訪問し自分たちで物件写真を撮影した上で手続きを踏んできていること、シェアハウスに入居される多くの方は従来の賃貸住宅にはない付加価値に魅力を感じていることなどを交え、業界の健全な発展の必要性を訴えます。

また、これまでは都内を中心にシェアハウスを紹介してきましたが、現在、当サイトは日本に限らず、海外からのアクセスや外国人のアクセスも増加しており、日本全国、並びに世界中のシェアする暮らしを紹介していく方針についても触れさせて頂きました。 

森山プレゼンの後は、山本氏がお話されます。その中で「共生型住宅基本法(通称:シェアハウス基本法)」の制定に向けた今後の取組みなども説明。事業者間、さらには、様々な業界との連携が不可欠であり、重要であると述べられます。

その後は一級建築士の資格を保有される日本シェアハウス協会コンプライアンス部会長の高橋学氏より、シェアハウス業界の統一ルール化を目指し、日本シェアハウス協会の自主基準についてお話が続きます。

一律にシェアハウスと呼称されていても、そのあり方はあまりにも多様なため、協会としては「建物の安全性や快適性(一般事項として立地環境、建物の維持管理状態、設計図書、確認済証、消防法関係届等など」)や「運営管理の状況」に重点をおいて審査等をさせて頂き判断する方針などご説明されます。

イベントの最後には「空き家問題」及び「これからのシェアハウス」 と題し、メディア代表として本多信博氏(住宅新報社論説主幹)、シェアハウス事業運営者である清水 優紀氏(Teamスキマジャパン代表)、永瀬泰子氏(有限会社Come On UP 代表取締役)も加わり、当社森山がモデレーターの役割を担いながら、有識者5人よるパネルディスカッションが行われました。

本多さんは「今までの集合住宅は、集合している意味をあまり発揮していなかった。親子や会社でも世代間の断絶は深刻であり、多世代入居により、この問題を解決する可能性があるのがシェアハウスだ」と述べ、さらには、空き家の活用にも有効であり、今後アピールすべき点であると発言されます。 

また、運営者という立場でもある永瀬さん、清水さんからは「シェアハウスはハードビジネスではない。最も大切なのはハウスで生まれるコミュニティ。今回の規制は、核家族化、孤独死など社会現象とは逆の流れを生んでおり、可能性をつぶさないでほしい」と強く主張し、シェアハウス運営事業を通じて感じたシェアする暮らしの可能性を今後もっと発展させていきたいと述べられます。

その後は、会場からの質疑応答の時間も設けられ、シェアハウス事業に携わる方々から国土交通省通達以降の業界に対する不安、協会に対する取組みや方向性、そして自主基準など様々な質問が飛び交い、代表理事の山本氏を中心に議論が交わされていきます。

立場が違うと、意見の相違もあるかと思います。ですが、平行線のまま活動を継続していくのではなく、関係者の方々全員が関心を持ち、さまざまな機会を使って、シェアハウスの健全な発展とシェアする暮らしの可能性を広げるような団体の活動がスタートしたのかと思わず感じる一日でもありました。

シェアハウスという文化が根付き、来年、再来年と発展、進歩して、日々の皆さんの暮らしが少しでも豊かになっていく、そんな未来につながることを期待して幕を閉じたシェアハウス緊急フォーラムでした。

/Author:カガワ

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