事業者インタビュー:永瀬 泰子(有限会社Come on UP)
Category: インタビュー有限会社Come on UP 代表 永瀬 泰子。
人と人とが繋がる『わ』を創りたい。
「Come on UP」を運営する代表の永瀬泰子さんに、シェアハウスの運営にあたってお話を伺ってきました。
Come on UP さんのハウスに住む住居人の出身地は、国内外を問わず様々、職業もOLからコンサルタント、飲食店で働きつつ劇団をやってる子から会計士など、とにかく色んな方が入居されているとのことですが、永瀬さんとお話をしていると、「人と人のつながりを大切に、人生を楽しく過ごしたい」という思いが不思議と伝わってくるので、自然と面白い人が集まるのかな、と何となく納得してしまいました。
- ---今日はお時間頂き、ありがとうございます。Come on up さんは、とにかく住居人との「わ」を大切にされているとのことですが、「シェアハウス」事業を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
- 永瀬さん
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そうですね、昔から、「面白い人が一緒になれば、もっと面白いことができるんじゃないか」みたいなことを良く考えていて、レストランやバーなどを貸し切ったりして、イベントを手がけたりしていました。 でも、イベントだと「継続性」に欠けるので、もっと違うスタイルを模索していて、「シェアハウス」だと面白いな、と考えたのがきっかけですかね。
- ---「一緒に住んでしまえば、継続して、もっと面白いことができる」ということですか、面白い発想で始められたんですね。でも、事業を開始された当時は今のように「シェアハウス」という概念も普及していなかったでしょうから、周囲から理解を得るのは簡単にはいかなかったのではないですか?
- 永瀬さん
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そうですね、私自身は高校から8年間アメリカに在住していたので、そもそも「他の人と暮らしをシェアする」ことに抵抗はありませんでした。それに時代の流れというか、個人的に日本もこれから「シェアするライフスタイル」の時代が来るとは思っていました。でも、当初は地主さんに説明するのは、確かに大変でしたね。
- ---不動産の業界だと新しいことを始めるのは大変そうですものね。
- 永瀬さん
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まぁ、最初は色々ありました、笑。でも、最初は何をやるにしてもそんなものですよ。当時は「ゲストハウス」という呼び方が殆どだったのですが、私は「住居人」をゲストとして扱いたい訳ではなくて、「自律心のある人が一緒に暮らして過ごす場所」を提供をしたかったので、「シェアハウス」と呼ばれるような場所を増やしたいなとは思っていました。
価値観の違いをどう捉えるのか。
- ---なるほど、シェアハウスに住むと一緒に暮らす人達に対しても考慮は必要ですからね。
- 永瀬さん
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そうなんです。例えば、他の人と一緒に暮らすと、トラブルが起きるんじゃないかとか不安に思う人もいるでしょうけど、私はシェアハウスの良さはそういうところにもあると思うんです。他の人が全く同じ価値観を持っていることって殆ど無くて、生活のリズムやバックグラウンドも違う訳ですから、自分が予期せぬことはあって当たり前だと思っていますし、結局はそうした価値観の相違をどう捉えるかだと思うんですよ。
- ---他の誰かと一緒に住めば、価値観の相違は当然だということですか、そうですよね、家族だってトラブルがある訳ですものね。
- 永瀬さん
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ですよね、一緒に住みながら、新しい考え方に触れて、それをどう受け止めるかは自由ですけど、社会に出れば他人との共存は避けて通れないですから、そういうところから、みんなが自発的に色々覚えてくれれば、嬉しいですね。
- ---なるほど。それにしても、2006年に事業を開始されてから、今では17物件も扱われているとのことですが、シェアハウスの運営側として心がけられていることとかってあるのでしょうか。
- 永瀬さん
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心がけていることは、たくさんありますけど、でも結局は「人」と「人」とのつながりだと思うので、そこは大切にしていきたいですね。シェアハウスって、豪華な施設とか立地の良いエリアにあれば成り立つ事業でもないと思いますし、だから運営者としては、「come on up」に滞在してくれている入居者には楽しい時間を過ごしてもらえいたいなと思ってます。幸いウチの住居人は面白い人が自然と集まってきてるというか、なんていうんでしょうね、まぁ、色んな事がおきますから、あきないですよ。例えば、この永福弐番館でいうと、最近は何かと、おめでたい話が多いですし、笑。
- ---あっ、そうなんですか、やっぱりシェアハウス内でも恋愛とかあるんですね。
- 永瀬さん
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いや、ハウス内はそうでもないのですけど、笑。ウチは他のハウスとの交流があったり、友達が友達を呼んで仲良くなるので、自然となるんでしょうね。ウチは新規物件がオープンする時は、全物件の住居人が集まるので、楽しいですよ。まぁ、そういう交流を見ているのも楽しいですからね。
あとは、永福町の物件なんかは、ウチが運営するシェアハウスに建築の分野で起業家志望の男性が住んでいたのですが、彼が一緒に設計やレイアウトなんかをやってみたいと言ってくれたので、実際に彼に発注しました。他の住居人も手伝ってくれたりして、完成させたハウスなので、感慨深いハウスですよね。
- ---手伝って貰ったのではなく、住居人の方に発注をしたんですか、なんだかそれも凄い話ですね。
- 永瀬さん
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学生の方だったので、決して大きい額ではないですけど、真剣に頑張っている子がいたら、やっぱり応援したくなります。運営者としても、そうやって、みんなと「つながり」を持てるというのは、幸せですよね。
勿論、事業として運営している訳ですけど、やっぱり利益だけの追求というよりは、私としては住居人やその友人やスタッフも含めて、「わ」を大切にしていきたいと思っています。
シェアハウスでの暮らしを通して、「わ」が広がるというのは、素晴らしいですよね。今日はありがとうございました。インタビュー中にCome on UPさんに実際住まわれている女性とも、偶然お話をしましたが、「シェアハウスの生活って本当楽しいからおすすめですよ」と楽しそうに発言されていたのが、とても印象的でした。ちなみに、入居者の彼女から見るcome on upの特徴は「全体的にゆるいこと」だそうです、笑。
「Come on UP」さんは、5名~9名規模のシェアハウスを複数運営しており、その他のハウスとの交流も自然とあるみたいなので、「一人暮らしは、つまらない」と感じている人や、シェアハウスに興味はあるけど、他の人と一緒に住むのは、コミュニケーションがちょっと不安、、」なんて、思っている人には、良いのではないでしょうか。