事業者インタビュー:中橋 研・山本 雅巳(株式会社プラン・ドゥ)
Category: インタビュー株式会社プラン・ドゥ 不動産ソリューション事業部 中橋 研・山本 正巳。2013年よりシェアハウス事業を始め、管理・運営を主に行う。
シェアハウスという新しい住まい方への挑戦と苦悩
色々なシェアハウスを見て回らせて頂いている中で、一体どうやってシェアハウスのコンセプトは決められているのだろう、といつも疑問に思っています。
だからこそ、インタビューをする際は絶対に、シェアハウスのコンセプトがどのように決まったのかを聞いてしまいます。バックグラウンドを知ると、同じものを見ていても、見方が少し変わってきますよね。
今回インタビューしたのは、賃貸不動産の会社の中からシェアハウスの道へと踏み切った中橋さんと山本さん。その土地にあった、その土地ならではのシェアハウスを作る事を一番に考えており、物件ありきのシェアハウス作りを続けているようです。
もし私の住んでいる地域にシェアハウスを作るなら、一体どんなシェアハウスを作ってくれるのでしょうか。そんなことを勝手に考えてしまいました。
では、早速ですがインタビューに移りたいと思います。プラン・ドゥさんのバックグラウンドはいかに...
- ---それでは、まず初めに御社で運営されているシェアハウスのコンセプトをお聞かせいただけますか?
- 中橋さん
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そうですね。ゲストハウス系とは一線を画したいというところはあるので、 ”普通の賃貸よりはハイグレード” というようなイメージを形にしたいと思っています。恰好つけたキャッチコピーを付けるなら、『帰りたくなるワンルーム』。安さとかで勝負をするのではなく、付加価値や新しいライフスタイルを提案するようなシェアハウスを目指しています。
- ---付加価値ですか。具体的にはどのようなものでしょうか?
- 中橋さん
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物件にもよるのですが、例えば西船橋の物件ですと、部屋にキッチンや水回りがついているだけなら普通のワンルームと一緒なんですが、それに加えて100帖分の共有部があるということがポイントですかね。広い共用キッチンやリビングだったり。言うなれば「ワンルーム+100帖」がうちのシェアハウスとワンルームマンションとの違いです。
- ---100帖というと、だいぶ広々としていますよね!?入居者の方たちは、そこでどのような過ごし方をされているのでしょうか?
- 山本さん
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キッチンが広いからか料理好きの入居者が集まっていて、料理大会やお菓子大会なんかがしょっちゅう開かれているみたいですよ。何やら男性で料理が得意な方が何人かいるようで、この間はみんなでパエリヤを作ったんだとか。他にも自分たちで色々とイベントを企画しているみたいで、この間はハロウィンパーティーを開いたり、キャンプに行ったり。ハウス内のホワイトボードやLINEのグループを作って参加者を募っているそうですよ。なんだか、みなさんいつも楽しそうです。
- ---何だか、私が住んでみたくなってきました!ちなみに、今住まれている方の特色ってありますか?
- 中橋さん
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今住んでいる入居者さんはとにかく面倒見が良い人が多いです。前に入居を決めた方は、うちのキッチンをみて「今ここに何人くらい住んでいますか?」と聞いてきて。なんと全員分のご飯を作ろうとしていてくれたみたいです!まるで寮母のような方ですよね。そんな性格の方が多いので、他の人を助けてあげられるようなサイクルが自然と出来ているので、いいですよね。
- ---やはりそういう方にたくさん住んでもらいたいですよね!
- 中橋さん
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そうですね。今の雰囲気を維持出来るような人たちに入ってきてほしいですね。とにかく、フェイストゥーフェイスで気持ちが通じた人に入って欲しいです。あと、西船橋のシェアハウスだと実はディズニーランドまで電車で12分なので、ディズニーキャストさんにもおすすめです。現に3名ほど入居されているんですよ。路線がたくさんあるので秋葉原でお仕事なら一本ですし、仕事の場所に合わせて考えて頂くのも良いのではないでしょうか。
顧客と同じ目線で考えることが打開の鍵だった
- ---今まで普通の賃貸物件を扱っていたところから、なぜシェアハウスを始めてみようと思ったのですか?
- 中橋さん
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きっかけは西船橋の物件でした。今までの私たちの考えでは、空き物件を倉庫にして貸すというものが多かったのですが、西船橋の物件がすごく広い空間だったので、倉庫にするにはもったいなくないか、という話になりました。でも、部屋にするには無理があったので、ならばシェアハウス、という踏み切り方でした。
- ---きっかけはとてもシンプルですね!
- 中橋さん
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勿論、今までシェアハウス運営のノウハウもなかったので、突然の試みだということで社内でも議論はあったのですが、探りつつやっていました。ただ、今までの賃貸の延長線上でぶれずにやってみようという事だったのですが、地元の賃貸では全然決まらず、そこに驚きました。後にシェアハウスのサイトに載せた途端にすごくヒットしたところがあったので、シェアハウスを求める人と、普通の賃貸を求める人の違いというものが段々と分かるようになってきましたね。
- ---その区別がつくようになるまでの道のりというのは、長いものでしたか?
- 中橋さん
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いや~、最初はやはり、なかなか掴めなくて、癖の違いに苦労しました。シェアハウスというと最近流行ですし、内心結構ウケるのではないかと思っていたのですが、案外ヒットしなくて。ただ、賃貸業者に来る人って逆にシェアハウスのような住まいの形を求めていないから、ミスマッチだということに気が付いたんですよね。それに賃貸業者の方が案内してくれても、住んだ事がないから結局魅力が伝えきれていないということにも気が付きました。
- ---試行錯誤した上での「気付き」があって、今があるというわけですね!それでは、今後の展望をお聞かせいただけますか?
- 中橋さん
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郊外に建てるシェアハウスですといきなりここに住みたい!と思ってくれる人はなかなかいないけれど、これがあるからここに行きたい!と言うように、私たちのシェアハウスを同じ趣味、同じ考えを持った人の拠点にしていきたいと思っています。例えばですけど、浦和の物件に浦和レッズのシェアハウスを作って、試合がある日はみんなで応援したり、朝から「あいつ欠場だってよ!」とかいう話ができたら楽しいのではないかと。まあ、みんなで騒いでいたら周りからクレームがきそうなのでちょっと…ってのはありますが(笑)同じ趣味で集まったら絶対に盛り上がるので、その立地をいかして今後も企画をしていきたいですね。
- ---今後新しくオープンするシェアハウスが楽しみですね!では、最後に読者の方へ一言をお願いします。
- 中橋さん
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西船に住んでみて下さい。(笑)
まずは内見で雰囲気を見て頂きたいです。特に初めてシェアハウスに住む事を考えている人は、自分のイメージとどうなのか比べてみて欲しいですね。正直、合う合わないは人それぞれなので。見に行ったら借りなければならないわけではないので、もっと気軽にシェアハウスの雰囲気を観て欲しいと思います。興味をもったらまず行動ってことですね。ちなみに、今シェアハウスに住んでいて引っ越したいという方だったら、逆に今のシェアハウスで感じている不満点を率直に教えて頂いて、そこから合った物件を提案していきたいと思っていますので、是非お話し下さい!
中橋さんのシェアハウスの紹介が、あまりにもこちらに住みたいという気持ちを思い起こさせるので、さすが元々賃貸物件の担当をしていた方なだけあるなと思っていたのですが、過去の試行錯誤の話を聞いた時に、その訳がよく分かりました。
シェアハウスは最近流行ですが、流行だから絶対売れるというわけではない。求める人と同じ目線になって、何が大切か、何が必要かを見極める事が一番の鍵だということを今回のインタビューで学ばせて頂きました。それはどんな商品、人にも言える事かもしれませんね。
今回のインタビューの中でご紹介させて頂いた「PLENDY西船橋」は、残念ながら、現在満室とのことなので、もしご興味がある方は、空室状況に注意しながら、随時サイトをチェックして頂ければと思います。