%
READ

 241017_market03_2

 

シェアハウスの統計データを読み解く:外国人ユーザーと部屋数、エリアのトレンド

前回のコラムでは、シェアハウスの入居者に焦点を当て、彼らの職業や属性について掘り下げました。今回は、海外の方も含めた地域別の属性、問い合わせに基づく物件規模の傾向、そして人気エリアについてご紹介します。

(前回同様、私たちが運営する「東京シェアハウス」と「全国版(sharehouse.in)」の今年1月から8月のデータをもとに算出しています。ご了承ください)

 

多国籍なユーザーの割合:欧米とアジアが牽引

サイト利用者(海外属性)

 

外国人の利用が増えていると聞くと、どの地域から来ているのか気になりますよね。私たちのサイトを利用する外国人ユーザーの多くは、欧米とアジア・オセアニア地域の方でした。

具体的には、欧米・ヨーロッパが44.46%、アジア・オセアニアが43.67%と、合わせて88.13%を占めるという結果でした。

シェアハウスは、単なる日本国内の居住スタイルにとどまらず、「こんなライフスタイルがあるんだ」と海外でも口コミで広がっているようです。ありがたいことに、「東京シェアハウス」を日本で住まいを探す際のオススメとして紹介してくださるブロガーさんもいらっしゃるとか。ありがとうございます。

訪日外国人の大半がアジアから来ていることを考えると、欧米からの利用者がこれほど多いのは少し意外だったのですが、その一因として、私たちが英語版サイトのみを提供していること原因かもしれません。中国語や韓国語など多言語の対応は課題かと思いますが、運営者さんのニーズも伺いながら、実装できればと思います。

また、南米やロシア、旧ソ連、中東・アフリカ地域からのユーザーはまだ少ないですが、今後の成長が期待されるマーケットです。政治的な壁があっても、国民同士は、共生できる社会が広がる未来だと良いですね。

問い合わせの傾向:5部屋〜15部屋の中小規模が人気

お問合せ傾向(世帯数別)

次に、シェアハウスの規模(世帯数別)による反響の違いを見てみましょう。

データによると、問い合わせの57.3%が5〜15部屋未満の物件に集中しており、その中でも特に5〜9部屋の物件が34.7%を占めています。中小規模のシェアハウスは、プライバシーを保ちながらも、自然と挨拶や会話が生まれる適度な距離感が魅力的なのかもしれません。都心での生活においても、アットホームな雰囲気が支持されていると考えられます。

物件数の分布と比較する必要はありますが、中小規模のシェアハウスが多いことも、こうした結果に影響しているのかもしれません。しかし、物件数に比べると、30〜100部屋未満の大型物件にも一定の強い需要があるようです。大型物件は主に郊外に多く、広い共有スペースやリモートワーク向けの設備が整っている点が魅力とされています。また、一人暮らしでは得られない充実した家具や家電が揃っていることも、大きなメリットです。こうした環境を上手に活用している人も少なくないようです。

リモートワークの普及に伴い、「一人暮らしでは味わえない広々とした空間と、シェア生活のメリットを同時に楽しめる」という声をよく耳にします。リモートワークや二拠点生活、副業の情報交換を活用している若い世代も、シェアハウスをうまく取り入れているのではないかと感じます。

 

人気エリアランキング:1位は、「池袋・目白・大塚」エリア

お問合せ傾向(エリア別)

 

続いて、エリア別のお問い合わせ人気ランキングを見てみましょう。

(*今回のデータは日本人・外国人の反響を合算したもので、海外でも知名度の高いエリアが上位にランクインしやすいこと、また物件数が多いエリアは必然的に問合せ数も多くなることを前提にご覧ください。)

エリア別のランキングでは、「池袋・目白・大塚」エリアが1位でした。

近年の再開発によって池袋周辺はさらに住みやすいエリアとして注目されていますが、交通の利便性が高く、生活コストも比較的安い点が人気の要因だと思います。最近では「池袋周辺で遊ぶ」という若い人の声もよく耳にするため、納得の結果かもしれません。

2位は「新宿・代々木・高田馬場」エリア。アクセスの良さや活気ある街並みが魅力で、特に外国人にも知名度の高いエリアとしてランクインしています。続いて、3位に「笹塚・下北沢・明大前」、4位に「上野・浅草・両国・秋葉原」、そして5位に「スカイツリー・両国・錦糸町」という結果でした。

都心へのアクセスの良さと外国人ユーザーに知名度の高いエリアほど反響が多い印象がありますが、これにはシェアハウスの分布状況も大きく影響していると考えられます。

一般的な「住みたい街ランキング」とは異なる部分もありますが、シェアハウスの物件数がまだ十分に多くないことや、職場や学校、語学学校へのアクセスの良さが重視されることも影響していそうですし、二拠点生活を送る方がシェアハウスを選ぶ傾向があることも、不動産市場の一般的な傾向とは違う要因かもしれません。

今回のコラムでは、外国人ユーザーの地域別割合や部屋数ごとのニーズ、人気エリアについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。シェアハウス市場のデータは普段あまり目にする機会が少ないため、「これからシェアハウスに住んでみようかな」とか、「こんな場所が人気なんだ」と知っていただくだけでも、何かの参考になれば嬉しいです。

これまで3回にわたり、シェアハウスの利用者層や問い合わせの傾向についてデータを掘り下げてきましたが、今回の統計データシリーズは一旦ここで締めくくりたいと思います。

今回はイベント用の資料として1月〜8月のデータをもとに分析しましたが、今後は年単位で日本人の男女別ランキングや物件数、さらに海外ユーザーを国籍別や地域別に分けて見ると、興味深い発見があるかもしれません。そうしたデータも、またどこかでお伝えできればと思います。

新しい視点からシェアハウスのトレンドや変化もお届けできるよう努めてまいりますので、どうぞ気軽にお立ち寄りください。今後とも「東京シェアハウス」をどうぞ、よろしくお願い致します。

 

/Author: Moriyama

関連記事
いつも東京シェアハウスをご利用いただきありがとうございます。この度、東京シェアハウスは新たなステップを踏み出し、オウンドメディアとして「note記事」の配信をスタートいたしました。 弊社ポータルサイ...
暮らしのカタチ、共生のカタチ   コロナ禍を経て、価値観や生活スタイルにも変化がある中で、新しい生き方や住まい方を模索する人も増えているはず。そんな中で、「シェアハウスって今どうなっているの...
職業もスタイルも多様に。でも一緒に。 前回のコラム「シェアハウスって『今』どうなの?」では、シェアハウスの平均年齢が28.2歳であることをお伝えしました。シェアハウスは若者向けの住まいというイメージ...