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PROFILE
株式会社チューリップ不動産 水谷 紀枝。1995年、大学卒業後、グラフィックデザイン会社に就職。結婚退職した後、専業主婦の間に宅地建物取引主任者の資格を取得。 大手不動産会社へ就職、長女の出産の為退社。 育児をしながら不動産業者免許取得し、2003年チューリップ不動産としてシェアハウス1号をオープン。 2009年には『シェアハウスで蘇る不動産“新”ビジネス』(ロコモーションパブリッシング)を出版。

常に基本に忠実であり続けたい。

 

ここ数年で都内を中心に本当に多くのシェアハウスが展開されるようになりました。一人暮らしでは考えられないくらい豪華な設備のシェアハウスから、コンセプト型のシェアハウスなどユニークなシェアハウスも続々とオープンしています。

 

「シェアハウスを紹介する」という立場にいて、面白いと感じていることの一つに、実際に運営されている方々の「こだわり」や「コンセプト」が、そのまま、「ハウス」の個性となって顕著に現れていることがあるのですが、先日お会いした方に、「運営事業者さんの考え方とか、ホームページでは見えない部分も、客観的に伝えて欲しい」と言われてしまいました。

 

 実際に「シェアハウス」を運営されている事業者の方々は、皆さん「個性的」ですし、新しいタイプのシェアハウスが続々と展開される中で、皆さんどのように考えられているのか、我々としても「運営事業者さんの視点」は、興味があるところなので、今後は物件を訪問した際は、出来るだけお話を伺って、紹介していきたいなとも思っています。

 

我々のサイトに掲載頂いている方で、最も早くから事業展開されている方というと、「チューリップ不動産」さんになる訳ですが、代表の水谷さんに「インタビューしても良いですか」と打診したところ、「いいですよ」と、心地良く承諾頂きました。ありがとうございます。早速ですが、今年7月にオープンしたばかりの「Witt-style apricot terrace」に訪問して、お話を伺って参りました。

 

チューリップ不動産さんは、2003年に「女性専用のシェアハウス」というコンセプトで事業を開始されてから、現在では既に15物件も展開されています。昔と今では、「シェアハウス」という概念も異なっているでしょうし、大変な苦労をされてきたのではないかと思うのですが、インタビュー時にはそれを感じさせない水谷さんが凄いなと感じました。それでは、どうぞ。  

 

---今日はお時間頂き、ありがとうございます。「シェアハウス」業界では、水谷さんはパイオニア的イメージもありますが、当時と今では、シェアハウス業界もやっぱり、大分違うのでしょうか?
水谷さん

そうですね、私が事業を始めようと思ったのが2002年ですから、その頃の「共同生活」というと、「ゲストハウス」とか、「外人ハウス」と呼ばれるハウスが殆どで、住居人は外国人旅行者や、帰国してきたばかりの女性が中心でしたから、今のように一般の方に「暮らしをシェアするライフスタイル」を提供する運営者なんて、確かに 見当たりませんでしたね。

---そういう前例がない状況で、新しいコンセプトの事業を立ち上げるのは大変だったんじゃないですか?
水谷さん

当時は丁度、勤めていた不動産会社を出産の為に、退職した時期ですから、そういう意味では、大変といえば大変でした。 でも、「シェアハウス」というコンセプト自体が「経済的で効率的」なので、事業開始前から、何となくいけるという予感はありました。 それに専業主婦の強みかもしれませんが、夫の収入がありましたから、事業が上手くいかなくても、路頭に迷うことはないですからね。

---なるほど、旦那様の支援もあったからこそ、ここまでやってこれたと。
水谷さん

いえ、全然ですよ。 旦那からしたら私の事業なんて、フラダンスとか英会話とか「新しい習い事」を始めた位でしか、見てなかったと思います。

---笑、そうなんですか? でも、子育てもしながら事業拡大をするのは物凄く、ご苦労されたんだろうなぁと感じてしまいますけど。
水谷さん

一般的な事業だと大変かもしれませんが、シェアハウスの運営は、専業主婦に向いている仕事ですから、経験が活かせる部分が多くて、それが良かったのかもしれません。

 

当たり前のことを当たり前にやる大切さ。

---えっ?シェアハウスの運営って、専業主婦に向いてるんですか?
水谷さん

向いていますよ、共有スペースを常に清潔に保ったり、あるべきものをあるべき場所に配置したり、些細な事だと思うでしょうけど、そういう当たり前な事を当たり前のようにやることがとても重要なんです。 しかも多くの事を同時に頭に思い描いてやらないといけないので、主婦業の経験はシェアハウスの日常管理に本当に活かせてると思います。 だから、私は専業主婦をされていて、起業に興味がある人にはシェアハウス事業を勧めてもいるんですよ。

---そうなんですね、最近、コンセプト型シェアハウスとか豪華な設備のシェアハウスがオープンといったニュースをよく耳にしますし、水谷さんも、現在運営する物件を増やされていると聞いていましたから、実はハウス内イベントとか住居人を魅了するような企画を重要視されているのかなぁと思っていたのですが、実際は、そうでもないんですか。
水谷さん

全然ですよ、ウチ、地味ですから、笑。 他のシェアハウスの状況は知りませんが、私は常に「基本に忠実」でありたいと思っています。イベントも本当に住居人が求めていたら企画しますが、かけるお金があるのなら清掃の回数を増やしたいです、笑。

---はー、そういう考え方なんですね。今日も突然お邪魔させて頂きましたが、本当に綺麗というか清潔ですものね。
水谷さん

コンセプト型のシェアハウスとかって、確かに聞こえが良いのは分かりますけど、ハウス外の人との交流が住居人全体にどういう影響を与えるのか、近隣にどういう影響を与えるのか等、そういう事を理解しないうちは私は控えようと思っています。 我々は「住居人」に実際に「暮らし」を提供する不動産業者なので、やっぱり「安心して暮らせる空間」を住人に提供することが第一だと思うんです。人を集める為に、聞こえが良いことを言う必要も分かりますけど、実際に共同生活を管理するのって、本当に大変なんですよ。 TVを見る時に横に寝転びながら見る人がいるから嫌だ、、とか、誰がどの食器を何に使った、、とか。

---あっ、今の表情、大変さが非常に伝わってきました、笑。
水谷さん

分かって頂けました、笑。 でも、繰り返しになっちゃいますけど、私が運営している物件は豪華さとかより、実際に住んでいる人に「快適」で「安心」して暮らせるような空間を提供できることに全力で努めています。

---やっぱり、「住居者さん目線」なんですね。
水谷さん

そうですね、あと、うちはサブリース※でやっていますから、オーナーさん側の視点も忘れないように、無駄な費用などは常に抑えるようにしています。 ※サブリースは、建物を所有するオーナーからアパートやマンションを一括で借り上げ、第三者に賃貸して、オーナーに一定の賃料を支払うシステム

笑、物件をご案内頂いた際、水谷さんが何度も「女性にとっては、こういうことが大切」と発言をされていたのが印象的でした。「安心」して生活ができることを常に念頭に置かれている様子でしたので、初めて地方から上京される方は、ご両親も安心できるでしょうし、都内で一人暮らしをしていて不安と感じている女性にとっては、特に良いかもしれませんね。「豪華な設備は無い」言いながらも、今日、訪問させて頂いた「アプリコットテラス」は、女性は嬉しいであろう、お洒落な小物もたくさんありましたよ。

---そういえば、今後も運営する物件を増やされていくということでしたけど、水谷さんの目標とか、今後展開していきたい事業とか、あったりするんですか?
水谷さん

そうですね、具体的に「コレ」というのは無いですけど、ヤマト運輸の小倉昌男さんみたいに、「国がやらないなら、民間が世の中を変えていくんだ」、みたいに大きな事業をやってみたいですね、笑。 

最後にサラッと凄いこと言われますね、笑。 でも、今日はお時間ありがとうございました。

Apricot Terrace 巣鴨
物件詳細Apricot Terrace 巣鴨
エリア 東京都豊島区巣鴨4丁目
賃料 ¥56,000 ~ ¥57,000
アクセス
東京都営荒川線 庚申塚駅 徒歩6分
JR山手線ほか 巣鴨駅 徒歩7分
入居者募集 女性
お問い合わせ

Author / Moriyama
東京シェアハウスの代表をしています。世界中にあるモノ、コト、ヒトがもっと気軽につながれるような社会構築を目指してます。世の中には、あまり世間に知られていないけど、もっと自由で、豊かで、面白い物語がたくさん潜んでいると思うので、そんな世界を見つけて、広げていきたいと思います。
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